身体機能が低下せず、身体が健康でも、認知症にかかると記憶力が衰え、日常生活に支障をきたします。認知症に罹患する高齢者は多く、認知症予防は喫緊の課題と言えるでしょう。
そこで、各自治体や民間団体による認知症予防のイベントが、頻繁に開催されています。認知症予防セミナーは、介護予防運動の一環として行われており、多くの参加者を迎えて活気に満ちています。高齢者向けだけでなく、介護の必要な高齢者がいる家族向けの講座もあって、在宅介護に携わる家族の関心も高くなっているのです。
認知症予防セミナーは、全身の血行を良くして身体機能を高める運動や認知症予防に役立つ食事の紹介など、内容が多岐にわたります。
認知症予防には、脳への刺激を促し血流を促進する身体の運動が欠かせません。運動すれば、脳の神経を成長させるタンパク質が分泌され、記憶を司る海馬を健康な状態に保てます。
運動の種類は様々で、椅子やタオルのほかチューブやバランスボールを使った筋トレなど、楽しみながら取り組めるものが多いようです。2人1組になって行う体操もあり、他の高齢者と交流できる点も好評です。他者との交流が脳への刺激となり、認知機能を回復させるでしょう。また、ウォーキングや水泳といった有酸素運動も効果があります。
このような取り組みを行う認知症予防イベントに参加し習得した知識を家庭でも生かせれば、効率的に認知症を予防できるでしょう。家庭で家族と一緒に認知症予防運動をすれば、家族との交流も図れて高齢者の家庭内孤立を防ぐという一石二鳥の効果をもたらします。